トミックスの道床付きレールシステムは、1976(昭和51)年に発売されました。

 当時、国産のNゲージ用レールは、固定式レイアウトに使用することが前提だったKATOの「組み線路」があるだけで、「お座敷(フロア)レイアウト」に気兼ねなく使用できる道床付きレールの発売は、画期的なことだったのです。

 このトミックスの道床付きレールの発売が、「走らせて楽しむ」Nゲージの普及に貢献したことは間違いないでしょう。

 その後、道床付きレールは学研やエンドーからも発売され、遂にはKATOも「ユニトラック」として発売するに至りました。

 これはトミックスの「ニューレールセットB」で、品番は91012。
 昭和50年代の半ば頃に購入したもので、当時の価格は2,300円でした。



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 パッケージ。
 箱の右下には、当時のトミックスのイメージキャラクター(?)だった「C57形」のシルエットが。
  
 この「B」セットでは、カーブレールはC317がセットされています。

 品番91011の「ニューレールセットA」では、カーブレールはC280がセットされており、「レールセットB」と組み合わせることで容易に複線化できたのです。

 ところで、何故セット名に「ニュー」がつくのか?

 トミックスのごく初期の道床付きレールは、道床のジョイント部が角張っており、これを「初代」としたために、マイナーチェンジでジョイント部を丸くしたものを「ニュー」と呼称していたものと思われます。

 この「ニュー」レールは現行レールのファイントラックと接続できますが、ジョイント部が角張った「初代」レールは、「ニュー」レールとは接続できるものの、ファイントラックにそのまま接続することはできません。



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 パッケージの裏面。

 「A(C280のオーバル)」、「C(電動ポイント2個がセットされた側線)」、「D(8の字の立体交差)」の各セットと、その組み合わせで作ることができるレイアウトが紹介されています。

 私が「A」ではなく「B」を選んだのは、「曲線半径が大きい方が少しでも長く走れる」と、単純に考えたからです。
 (^_^;ゞ

 この頃のトミックスレールは、耐久性や錆への対策から素材にステンレスが用いられていたため、長大なレイアウトではフィーダーから遠い箇所では電圧下降が激しいという問題があり、複数のフィーダーを取り付けて対策する例もありました。

 もっとも、このレールセット程度の長さなら、何ら問題ありません。
 (^_^)




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 「レールセットB」を走るKATOの「
キハ20形」。

 初めは4,500円のパワーユニット(品番5001)が買えず、このレールセットに「
キハ20形」のM車を乗せて眺めているだけでした。

 T車ではないので、転がすこともできずに。
 (^_^;ゞ

 やっとの思いで購入したパワーユニットを接続し、ダイヤルを回して「
キハ20形」が走り始めたときの感動は、今でも忘れられません。



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 カーブレールC317が8本、ストレートレールはS280とS140がそれぞれ2本ずつ入っているだけですから、直線区間には3両しか収まりません。

 そんな小さなレールセットですが、私のNゲージはここから始まりました。
 思い入れもひとしおです。
 (^_^)